
「キラキラネーム」と聞けば、色んな名前を思い浮かべてしまう人も多いのではないでしょうか?
1990年代半ばから増えてきたと言われるキラキラネーム。
ちょうど団塊ジュニア世代の子どもたちにこのキラキラネームが増えたように感じます。
しかし、当時からはそのキラキラネームに驚かされるも親の自己満足・教養の無さが露呈する結果となり、批判的な捉え方をしている人も多いと思います。
そんな中、キラキラネームについて「後悔している」という声も聞こえます。
その後悔している理由、また実際に子どもがキラキラネームを付けられて改名した実例も紹介したいと思います。
これを読んでいる人は、もしかしたら同じ思いで、後悔して、子どもに改名させてあげたい、もしくはキラキラネームを付けられた本人が読んでいる可能性もあると思いますので改名の変更の手続きまで併せて書き綴っておきたいと思います。
目次
キラキラネームに後悔してる人は多い?
出典元:NHK政治マガジン
1990年代に増加した「キラキラネーム」。
いわゆるDQNネーム(ドキュンネーム)と言われるもの。
定義があるわけではありませんが、Wikipediaによると…
伝統的でない当て字、外国人名、創作物の登場人物名などを用いた奇抜な名前の総称
と言われています。

これを書いている筆者は1980年代生まれですが、自分たちの世代はさほどキラキラネームはなかった気がします。どちらかと言うと2000年代に入ってから、いわゆる平成生まれの子どもたちに増えた印象が強いですね。
実際に、キラキラネームをつけて後悔している人は多いのでしょうか?
そもそもキラキラネームをつけてしまう心理とは…
「目も眩むほどの喜びと期待」が大きすぎる
とのこと。
誰しも子どもが生まれたときはテンションがあがり、喜びと幸せな気持ちでいっぱいになると思います。
そして、その子どもに対し、たくさんの愛情をかけ、幸せな人生を送って欲しいと願う気持ちが強くなります。
そうした親の気持ちが込められた結果なのですが…
そこに、
- 学がない
- センスがない
- 一般教養が不足
- 世間知らず
- 自分の気持ちだけ優先
- ホルモンバランスで考えが浅はかに
など、様々な理由が考えられますが、一概にこの状態を責めたいわけではなく、当時はそうゆう気持ちになってしまっていたと考えることも出来ます。
だって誰しも嬉しいですからね。
ただ、少し、ずれてしまっていただけ。

キラキラネームに後悔している人に、少しでも心が軽くなればと思い、こんな言葉を贈りたいと思います。
『過去は変えられないけど、過去の捉え方は変えられる。それは未来を創っていくことだ。』
周りの家族も、そこに気づいていながら、「名前を付ける」という重大な決定権には責任を持てないので、親御さん任せになっていた背景もあるかもしれません。
キラキラネームを付けてしまったことに対する後悔は、その子どもからの証言で気づくことが多いそうです。
- 学校で変な名前だからといじめられる
- そもそも読めない名前でいじられる
- ペットに付ける名前みたいだねと言われる
- 大勢の前で呼ばれるところ(病院など)に行けない
- 名前を聞かれる度に説明しなければいけない
学校や世間と関わることで、このような状況になることが多いと言われます。
さらに、学校を卒業しても、キラキラネームというだけで就職に不利になる可能性もあるというふうに考えている事例もありその精神的苦痛が一生続くのかとストレスになってることも多いと言います。
実際、名前をつけた親は、このような事例が出てきて初めて気づくといった傾向にあるようです。
不思議といっては失礼かもしれませんが、本当に気づかずに付けてしまっているのだと思います。
親子でも価値観が違いますので、子どもが世間に晒されたときの心境を考えたときに、初めて後悔することになっていると言います。
キラキラネームに後悔し、改名している人は日本では実は年間に4,000人以上いると言われています。
キラキラネームが流行り始めた1990年代当初から現在でもまだ続いていると言われていますが、そんなに多いとは驚きですね。
子どもが生まれてキラキラネームかどうか迷われたときは、まずは周りに相談、家族に相談、といったことから一生のものになるので慎重に付けていきたいですね。
よく名前で運気が変わるといって改名している人もいますよね。決して悪いこととは思いませんが、名前は
「親からもらう最初のプレゼント」
と言われています。

筆者個人的には、自分の名前に誇りを持っていますし、改名するつもりもありませんが、色んな考え方があり、名前というものの重大さを認識していきたいですね。
もし自分が子どもに名前を付けるなら、「こんな名前にしてくれてありがとう」と言われたいです。
思いがあって世間からも誇りに思ってもらえる名前、そう考えると名前を付けるということは短期間で決めることではないのかもしれませんね。
キラキラネームを改名するには?
前述した通りキラキラネームを改名したいと思ってる人は多いようです。
改名する手続きを紹介したいと思います。
まず、キラキラネームを改名するためには
- ①家庭裁判所にて名前の変更許可を得る
- ②市役所に変更の届け出を行う
という2つ手順が必要となります。
ちなみに①の家庭裁判所での手続きは、
- 「氏」の変更許可の申し立て
苗字・姓を変更する手続き
- 「名」の変更許可の申し立て
下の名前を変更する手続き
- 「子の氏」の変更許可の申し立て
子どもが父又は母の苗字に変更する手続き
の3つがあり、苗字と名前の両方を変更したい場合は、「氏」と「名」の両方の手続きが必要となります。
ちなみに変更手続きとして②の市役所に変更の手続きを行うだけで良い場合もあり…
- 結婚時に配偶者の姓に変更
- 離婚時に元の姓に変更
- 配偶者の死別後、結婚前の姓に変更
- 外国人と結婚し配偶者の姓に変更(6か月以内)
- 外国人と離婚して元の姓に変更(3カ月以内)
- 父母の再婚により子と親の氏が異なり、子が父母と同じ氏に変更
- 養子縁組により、養親の姓に変更
- 離縁により、養子が縁組前の姓に変更
となっています。
キラキラネームの変更においては基本的に下の名前の変更になるので①の家庭裁判所を通してから行うことになります。
改名する条件とは
キラキラネームを改名したい場合、簡単に変更出来るわけではなく、もちろん条件があります。
キラキラネームを変更する場合は「名」の変更にあたります。
正当な事由によって名を変更しようとする者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。
とのこと。
つまり、正当な事由が必要となります。
では、その正当な事由と判断できる基準とは、
「名の変更をしないとその人の社会生活において支障を来す場合」であり、かつ「単なる個人的趣味,感情,信仰上の希望等のみでは足りない」
としています。
キラキラネームを改名するのをスムーズに行うためには、
- 名前が難読、奇抜、で間違えやすい
- 変更理由
- 申立人の年齢
- 証拠資料
がポイントとなります。
改名ポイント①名前が難読・奇抜で間違えやすい
キラキラネームの改名として、一番の理由にもなっていることかもしれません。
とにかく名前が読みにくいことや読めない、奇抜、異性と間違われるなどが強い動機ポイントとなります。
- 光宙(ぴかちゅう)
- 黄熊(ぷう)
- 核(あとむ)
- 泡姫(ありえる)
- 今鹿(なうしか)
一方で、
- 礼音(れおん)
- 優月(ゆづき)
- 空海(そら)
- 景虎(かげとら)
- 有麗羅(うらら)
などは読めそうな字でもあり、改名出来るポイントとしては低くなることもあるそうです。
改名ポイント②改名理由
もちろんキラキラネームを改名したい場合は理由が必要となります。
その改名理由としてポイントになることが
- 具体的に日常でどのような支障が出ているか
- 過去に名前についてどんな出来事があったのか
- 現在の名前について困っている内容
などが必要となります。
より具体的に書くと改名する理由の判断材料になるようです。
改名ポイント③申立人の年齢
キラキラネームを改名する場合、実は30歳以上の人は改名しにくいと言われています。
その理由として、
- 名前を長く名乗っている
- 変更することで社会的影響が出やすい
- 変更の必要性が少ないと捉えられやすい
ということです。
そのため、キラキラネームを改名したいと思ってる場合は、できる限り早めの申立がオススメです。
改名ポイント④証拠資料
キラキラネームを改名したい場合、証拠資料があると、手続きがスムーズに進む場合があります。
その必要な証拠資料のポイントとして
名前が書き間違えられた資料
がオススメです。
やはりキラキラネームは読みにくい名前が多く、書き間違いも多いと聞きます。
そのため、学校で書き間違いがあった際の資料等があれば、改名するための材料として使えるでしょう。
改名に親の同意が必要な場合
キラキラネームを改名したいと考えていても、自分だけでは改名出来ない場合もあります。
それが、
15歳未満の場合
15歳までは親権者が子どもの代わりに申し立てを行う規則があります。
そのため、15歳未満の人は、親との話し合いの上、同意が必要となります。

ただ反抗期だから自分で調べて自分だけで改名するということは出来ないんですね。
キラキラネームだけでも、親と縁を切りたいとエスカレートする事例もあるので、しっかり話し合いが出来る状態にしておくことも大切ですね。
キラキラネームを改名した実例紹介
キラキラネームを改名したいと思っている人は多いと思います。
ここで実際に改名出来た実例を紹介していきたいと思います。
出典元:東洋経済オンライン
2019年6月7日、Twitter上で「名前変更の許可が下りましたー!」と投稿していた人がいました。
現在ではその投稿は凍結されており、見ることは出来ませんが、当時は10万以上リツイートされ、ニュースでも連日話題になりました。
見た人もいるかもしれませんが、山梨県に在住の高校3年生が当時18歳のとき、家庭裁判所に申し立てをし改名されたそうです。
元々の名前は「王子様」。
母親が誰にも相談せずに役所に届けたそうで、
「自分にとっての唯一無二の存在。私にとっての王子様」
との思いで名付けたとのこと。
出典元:東洋経済オンライン(改名した赤池肇さん)
しかし、そのキラキラネームを付けられた男子高校生は
- 初対面の人に笑われた
- カラオケの会員証を作る際、本名か疑われた
- 見ず知らずの人からも「王子様」と言われた
- 顔がネット上で晒された
など、苦痛を伴う経験をしてきたそうです。
2019年2月、キラキラネームの変更を家庭裁判所に届け出て、
「みじめな思いをした経験があるので、これからの長い人生でこのようなことが起こらないように」
と改名理由を書いたそうです。
そして、その約1ヶ月後の2019年3月5日に申立は求められ、同7日に役場に行き「肇(はじめ)」という名前を登録したそうです。
その際、両親は名前を変えることを賛成したが、母親は当初残念がっていたそう。
その男子学生の思いは…
「母親が父親に了承をとらず勝手に出生届を出してしまって。『私にとっての王子様だから』みたいなことを言って。親がばかだと自己紹介しているようなものなんですよ。自分の子どもがもしできるとしたらキラキラネームにはしないかな。今、大学生です、他には音楽活動してます。キラキラネームで苦労した過去を捨てるじゃないですけど、ここからリスタートを始めていこうという意味で『肇』と。将来はバンドで大成して全世界に『肇』の名をとどろかせていきたいですね。」
引用元:クローズアップ現代
手続きには少し時間を要するかもしれませんが、正当な事由があれば、この男子高校生のように改名は可能ということがわかりました。
キラキラネームを改名したこのような事例は実は過去にもあったようで…
戸籍上の名「州璋(クニアキ)」は他人から誤読、誤称、誤記されることが多く難解・難読で社会生活上はなはだしく支障があるところから平易な当用漢字の「吉郎」なる文字を通名として使用してきた場合には、右通名への変更は「正当な事由」がある場合に該当する。
昭和30年12月28日/大阪高等裁判所/第5民事部/決定/昭和29年(ラ)149号
引用元:氏名変更相談センター
「肴屋」という氏が、「魚屋」という特定の職業を連想させ、笑いの対象になり、小学生の子が学校や塾でからかわれるなどの諸般の事情から、一般に社会生活上の苦痛と不便を感ずる不利益が考えられなくもないとして、新たに称したいとする氏が妻の婚姻前の氏であることの妥当性も考慮して、氏の変更に正当の事由があるとした事例
昭和61年7月17日/長崎家庭裁判所/審判/昭和61年(家)928号
引用元:氏名変更相談センター

この資料は昭和時代のものなので、そう考えると「キラキラネーム」という言葉が出てきたのは1990年代ですが、名前で困っていた人はもっと前からいたみたいですね。
キラキラネーム以外にも、改名した事例として
- ハトル→春香(理由:出家のため)
- 詩織→直樹(理由:性転換)
- 尚子→多香子(理由:読み方が間違えられる)
- 亜梨子→アリス(理由:パスポートの表記を変えたかった)
- 元受刑者(理由:名前が晒されると犯罪歴がわかり生活さえ出来ない)
などもあり、一概にキラキラネームだけではなく、様々な理由から改名に至る場合もあるので、キラキラネームから改名したい人にとっては勇気がもらえる例ではないかと思います。
キラキラネームに後悔!改名した変更手続き実例まとめ
いかがでしたでしょうか?
キラキラネームとはいっときのブームと思っていましたが、2023年現在でもまだ続いているようです。
キラキラネームかどうかは、確かにその人、その親の価値観もあると思いますが、やはり筆者個人的には「親からの最初のプレゼント」という気持ちが強いため、もし今後名前を付ける機会があったときには一生のものとして慎重に判断していきたいと思いました。
まとめとして
- キラキラネームで後悔している人は改名希望は年間4000人もいる
- キラキラネームを改名する場合は家庭裁判所を通す必要がある
- キラキラネームを改名した実例はある
名前で悩むというのは、自分が背負っていくものなので、本当に困りますよね。
「キラキラネーム」という言葉が出始めたのも時代の流れなのでしょうか。
もう風化したと思っていましたが、改名してる事例もあることを見ればまだまだ悩んでいる人は多いようですね。
多様性という言葉もよく使われますが、その言葉の意味も履き違えないように、キラキラネームに関しては慎重にしていきたいですね。
今後100年先でもこういったキラキラネーム問題は起きているのでしょうか。
その時代、その時代にあった価値観があると思いますので、今の時代の常識の範囲内で、判断して暮らしていきたいと思います。
今回のキラキラネームについては筆者個人的にもとても勉強になる内容でした。
長い文章、最後までお読み頂きありがとうございました。