
2023年2月11日、神戸市北区で「乗用車同士がぶつかってけが人がいる」と119番通報があり、状況は、片側1車線の県道で乗用車同士が正面衝突し、このうち1台に乗っていた1歳くらいの女の子が意識不明の状態で病院に搬送されたとのこと。
1歳の女の子の無事を祈るばかりですが、ぶつかった相手の乗用車は70代の男性が運転していて中央線をはみ出したことが原因と報道されています。
この事故に対し、高齢者の免許更新制度に対する疑問の声が多数出ていました。
これを読んでいる方でも高齢者本人の方、また高齢者が身近にいる親族の方で運転を心配している方へも向けて、その対策も含めて情報をまとめてみました。
目次
1歳女児が意識不明事故|神戸市北区
神戸市北区の県道で乗用車同士が正面衝突し、1歳くらいの女の子が意識不明の重体という痛ましいニュースが流れました。
神戸市の県道で乗用車同士が正面衝突し、1歳くらいの女の子が意識不明の重体、4人が軽傷です。
11日午後3時すぎ、神戸市北区で「乗用車同士がぶつかってけが人がいる」と119番通報がありました。
警察と消防によりますと、片側1車線の県道で乗用車同士が正面衝突し、このうち1台に乗っていた1歳くらいの女の子が意識不明の状態で病院に搬送されました。
また、同じ車に乗っていた10歳未満の女の子と30代の男女が軽傷、もう1台に乗っていた70代の男性が軽傷とみられます。
引用元:Yahoo!ニュース
筆者も親戚に小さい子供がいたりするので、こういった事故は本当に聞きたくないですし、心が苦しくなります。。
もし自分の子供だったら…と身も裂けるような思いですが、無事であってほしいと願うばかりです。
この事故に対し、相手の運転手は70歳代の高齢者だったこともあり、近年、高齢者の免許返納の話題も多く出ていることもあり、この事故に対しても、高齢者に対する免許更新制度に対する疑問の声が多く出ていましたので、その情報をまとめてみました。
高齢者の免許更新制度とは
70歳から74歳までの方の免許更新は「高齢者講習」を受けなければ更新できないという決まりがあります。
70歳以上の方が更新手続きの前に受ける一般的な講習です。
試験ではないので、終了後に必ず終了証明書が交付されます。
- 所要時間:約2時間
- 講習内容:座学・運転適性検査(60分)実車(60分)
- 講習手数料:6,450円
引用元:警視庁
とのことです。
「試験ではないので、終了後に必ず終了証明書が交付される」ということには驚きですが、厳密にはどうなっているのでしょう。
それには、この高齢者講習の中にある「運転適性検査」に問題があるように感じました。
高齢者講習で行う適性検査とは、いわゆる視力検査のことです。ただし、運転免許更新時に行う通常の視力だけではなく、運転に深く関わりのある視力で動体視力、夜間視力、水平視野の計測をします。
また、運転免許の更新時に行う視力検査と違い、この検査は試験ではありませんので、合否があるわけではありません。ですから、検査の結果が悪くても講習を修了すれば、(医師の診断結果で認知症との認知症と診断を受けた方を除く)全ての方が運転免許の更新ができますので安心してください。
この検査の最大の目的は、今後の運転のあり方について、ご自身で考えるきっかけを作る為の検査です。ですから、結果は良いに越したことはありませんが、悪かった場合も悪かったなりの運転方法や考え方をご自身なりに見つめ直していただくことが大切です。人によっては、この結果次第で、夜間の運転を引退される方もいらっしゃるようです。
引用元:オンライン教習所
『運転免許の更新時に行う視力検査と違い、この検査は試験ではありませんので、合否があるわけではありません』
この内容ですと、
試験はするけど、悪かったら自己判断に任せるからね
といった内容に聞こえます。
これでは、あまりにも曖昧過ぎて、少しゾッとする感じがしたのは筆者だけではないと思います。
また2022年5月13日からは75歳以上の高齢者には「高齢者講習」に加え、「手がかり再生」「時間の見当識」の検査が含まれた「認知機能検査」も行うように決まっています。
記憶力を検査するもので、一定のイラストを記憶し、採点には関係しない課題を行った後、記憶しているイラストをヒントなしに回答し、さらにヒントを基に回答します。
見当識(けんとうしき)とは、現在の年月や時刻、自分がどこにいるかな ど基本的な状況を把握することをいいます。
時間に関する見当識が薄らぐと、長時間待つとか、予定に合わせて準備する ことができなくなります。 何回も念を押しておいた外出の時刻に準備ができな かったりします。
この検査に関しては75歳以上に行うとし、必要だと思いますが、実際の現場での警察官の判断にもよるものも多いのではないでしょうか。
現場で判断している警察官の方は厳重にチェックしていると思いますので、批判するつもりはありませんが、そのひとつの判断で幼い子供が犠牲になっている可能性も否めないと思います。
そのあたりのことを疑問に感じている人も多いので、実際の声をまとめてみました。
高齢者の免許更新制度に疑問の声
ネット上では
- こちらの事故に関係ないかもしれませんが、先日、近所の警察署に免許更新手続きをしに行きました。
そこで、高齢者の方が視力検査で何回もやり直しをして(短時間の休憩をして)、今回はギリギリですからねーと言って、視力検査を通過していた高齢者を2人見ました。そんな視力検査でやっている意味はあるんでしょうか?このような高齢者による事故を目にする度、免許更新時の制度をもっと考えるべきだと思います。
- 対向車が少ないこともありますが、左端に寄せるだけの車両感覚が衰えているらしき方の無意識の所業なのかと感じています。
この度、反対車線にはみ出したのも70歳を超えての運転者だと耳にしたが、この際年齢関係なく免許更新2回毎体度には技能確認テストしてほしいものです。
- 免許取得がなぜできたのか理解出来ないような運転をしている車を毎日沢山目にしています。
技能や知識のない方は免許が取れないはずです。でしたら、技能や知識が“衰えた”り、“なくなった”りした方の免許更新を許しているのは正常ではないと思うのです。
- 全ての高齢者が安全運転が出来るわけではない。
先日も信号が青で直進中に、対抗車が突然右折してきて、急ブレーキで衝突を免れた。
80才ぐらいの高齢男性だったが、そのまま走り去った。
- 何を考えて運転していたのか不明だが、高齢者の運転は怖い。
免許更新時に、高齢者には、警察は厳しく指導しても良いと感じる。
70才以上の高齢者には安全装置の付いた車両を義務化するべきだと思う。
- 高齢者特有の様々な機能の衰えによる事故が後を絶たないこと、高齢運転者は増加する傾向にあることを考えると、高齢者免許更新制度は現行のままではなく、もっと厳しい方向に変わっていかなければならないと思います。
- 高齢者が原因の事故が後を絶たないことを警察はどのように思っているのか?この問題を放置せず、対策を講じるべき。65歳を過ぎたら免許更新を2年毎にする、70歳を過ぎたら1年毎にし適性検査を行うなど、面倒かもしれないけど適性のない人に運転させてはいけない。車、バイク、自転車も走る凶器なのだから。
- 老人が何度も休憩して視力検査して免許証更新できるって何?って思いました。そのせいで事故が起きてることは警察の責任ではないですか?事故を起こした人が罪に問われるのは当然ですが、そんな適当な行いで免許を交付した警察も同罪です。未来ある何の罪もない小さい子供が被害者になるなんて言語道断です。
- 免許更新制度の見直しを切に願います。安全装置の付いた車以外の運転禁止条件とか、単独運転禁止条件とか、認知機能検査を必須にして、シュミレーションや実車検定で不合格なら、免許取り消しとかね。
このように、今回の神戸市北区で起きた1歳児が重体になっている事故の1件において、高齢者の免許更新や、警察の更新制度への疑問に批判が相次いでいる様子です。
たしかに高齢者の運転は怖い部分もあります。
実際に筆者の親も60代後半で高齢者と言われる年齢ですが、助手席に乗っているとヒヤッとすることもあります。
それは「スピードの出しすぎ」「脇見運転」「ブレーキの判断が遅い」「標識などの見落とし」など、さらに一番感じることが『このくらい大丈夫』という過信があるのではないかと思っています。
高齢者にもなると、車が好きだった、運転が好きだったという理由で、自分の運転に自信があり、若い頃のような感覚で運転しているといったことも影響していると考えます。
ちなみにそうではない人は素直に免許返納している例もあり、人によって経験値が違い、一概にすべて免許返納すれとは言いませんが、過信については、周囲の家族などが指摘していく必要もあるかと思います。
高齢者事故が多い理由
そもそも高齢者に事故が多い理由として
- 操作不適
- 安全不確認
- 前方不注意
- 判断の誤り
などの順で多いようです。
高齢ドライバーの死亡事故の人的要因の割合をみると操作不適が30%で最も多く、75歳未満のドライバーと比べて約2.5倍も発生しています。このうち、ハンドルの操作不適が約15%、ブレーキとアクセルの踏み間違いが約8%を占めており、「慌て」や「焦り」により運転操作を誤り重大事故に至る様子がうかがえます
引用元:東京海上日動
高齢者事故を防ぐためには高齢者の免許更新制度の見直しをしてほしいという声が多いです。
実際には、「本当にちゃんと検査しているの?」との声や高齢者本人のコメントからも…
僕も既に超高齢者です。
一昨年高齢者講習を受けましたが、その際は視力、視野共に問題は無かった。
更新手続きを見ていると検査中に見えない方が続出しており、これが見えないと更新出来ないよと検査官は言いながら何度も検査を繰り返していました。
結局の所、何とかして検査を通過させる方策の様ですね。
高齢者が原因の事故を撲滅するには厳しいですが検査で明確に落とす必要が有ると思いますな。
現状では落とされる人はほぼいない様になっていると思える。
などの声が実際に聞こえています。
高齢者事故が多いことに、高齢者を責めがちになってしまいますが、同情するつもりではないですが、実際に、田舎の地域などでは、車がないと困るところもあるようです。
筆者の友達も田舎の山奥で育った人がいますが、一度遊びに行ったときには、車じゃないとコンビニなどの買い物には行けない状況でした。
そもそもそのような地域では交通量が少ないので、事故自体は少ない様子でしたが、高齢者が乗った軽トラが農道や道の脇からスピードを出して出てくるということはザラにあるとも言ってました。
さらに、ノロノロ運転する車や、ウィンカーを出さずに曲がる、急ブレーキなどは、よく見かけるとも言ってました。地域柄はあると思いますが、今一度、高齢者の運転自体とその制度を見直す必要があると思いますね。
実際に、このような声も多いですが、高齢者からすれば、「免許を返納してどうやって生活すれば良いのか」との声が聞こえるのも現実問題にあります。
難しい問題ではありますが、今回の神戸市北区の1歳の女児のような幼い子供が犠牲になることもあるので、高齢者の免許更新制度は改めた方が良さそうというのが筆者の意見です。
高齢者事故の運転対策
高齢者の運転対策については
- 家族の周知
- 慎重な運転操作
- 定期的な眼科検診
などが大切だと言われています。
対策①家族の周知
高齢者の交通事故は、過信からくるもの、不注意によるものも多いので、家族がその様子をしっかり把握しておくことも大切だと言います。
- 「最近車の傷が増えた」
- 「どこかで違反をした」
- 「一時停止を見逃した」
など、不審に思う点があれば、すぐに家族内で相談した方が良いかと思います。
その際に大切なことは、すぐに「運転をやめた方が良い」と責めたてたりしないことも大事になります。
人は責められると反発したくなる傾向もあるので、ましてや当然高齢者の方が経験値はあるので、年齢が若い人から言われるとカチンと来る場合もあるからです。
ですが、きちんと話し合いを進めて、危険性を述べる、自分の孫が同じことになったらどうゆう気持ちなるか、など具体例を出して話を進めれればと思います。
対策②慎重な運転操作
これは、本当にこの一言に尽きると思います。
いわゆる先ほども書いた「過信」「自分は大丈夫」という気持ちが強いのも確かです。
その気持ちの緩みから、油断しがちになってしまう傾向があります。
- 「安全確認を十分に行う」
- 「一時停止は確実に止まる」
- 「いつもよりスピードを出さない」
など、もし家族の方が同情出来るのであれば、助手席に一緒に乗ってあげて、あとから話し合うのも良いかと思います。
高齢者に限らずですが、運転操作の過信は重大な事故に繋がるという認識を持つことを大切にしましょう。
対策③定期的な眼科検診
先程も書いたように、高齢者の免許更新時には「視力検査」があります。
加齢とともに、自覚がなくても視力の低下や視野が狭くなっていることはあります。
また白内障のや眼球の筋力も衰えていることもあり、動体視力が落ちていることも考えられます。
そういったことにより、運転中のちょっとした見逃しや別のものに集中力を欠いてしまうといった可能性もあります。
定期的に眼科検診を受けることで、自分の視力が衰えていて危機感を意識するということも大切になってくるでしょう。
1歳女児が意識不明事故・高齢者の免許更新制度に疑問|神戸市北区
今回の事故は1歳の女児の無事を切に願いますが、高齢者の運転に疑問が浮かんだのも確かだと思います。
その証拠として、連日、高齢者の運転事故はどこかしらの地域で起きていることもあり、高齢者の免許更新制度にも疑問の声が多いのも確かです。
高齢者の事故が多いことに対しても家族で対策を取りつつも、免許更新制度で厳しい基準を設けることも検討して欲しいと感じます。
この問題は、超高齢者社会に向かっている中で避けては通れない問題であるのと同時に、どうやって高齢者の生活をしていくか、それに伴い、その危険性が若い子供たちに及ばないようにするにはどうすれば良いか、課題が浮き彫りになっていってる気がします。
このような痛ましい事故はあとが絶ちませんが、どうにか事故のない世の中になってほしいと切に願うばかりです。