
2023年に入ったあたりから、やたらと「昆虫食 コオロギ」というワードを見かけるようになりました。
そんなコオロギが注目されていますが、最近では、お菓子や給食にもコオロギの粉末パウダーとして含まれるなど話題になっていますよね。
なぜ今コオロギなのか?また昆虫食・コオロギに関してのメリット・デメリットも含め情報を紹介していきたいと思います。
※コオロギなどの昆虫の画像がありますので苦手な方は無理に読み進めないようお願い致します。
目次
【昆虫食】なぜ今コオロギなのか?
昆虫食と言えば「イナゴ」や「蜂の子」が有名ですが、ここ最近では『コオロギ』に注目が集まっています。
そんなコオロギですが、見た目もゴ○ブリに似ていて、ちょっと昆虫食には…という人も多いのではないでしょうか。

たしかにちょっと気持ち悪い感じはするよね…苦笑

コオロギが給食で出ている学校もあったからビックリだよね!
そんな賛否両論…というか、批判的な意見も多い昆虫食・コオロギですが、今注目を集めているには理由があるそうです。
コオロギが注目される理由①貴重なタンパク源
今、昆虫食としてコオロギに注目が集まっている理由として考えられるものが…
「貴重なタンパク源になるため」
と言われています。

コオロギがタンパク源になるの?
なぜこのような話になっているかと言うと…
2050年には世界全体の肉の消費量は1.8倍に増加すると国連食糧農業機関(FAO)の報告されているからです。
つまり、世界の人口増加に伴い、世界的に肉の需要も増えるということです。

たしかにみんないっぱい肉食べてるしねー。
そして、現在の主なタンパク源でもある肉や魚、つまり、畜産や水産は生産効率が悪く、持続していく現状も極めて困難なことが課題となってきていると言われています。
そういった理由も含め、数年後の食料難に備え、タンパク源を確保することが重要な課題となっている背景があります。
そうしたことから、タンパク質が豊富なコオロギが貴重なタンパク源として期待されているようです。
コオロギが注目される理由②環境負荷軽減
昆虫食としてコオロギが注目されている理由の2つ目は…
「環境負荷を軽減するため」
と言われています。
その理由として、コオロギは現在のタンパク源でもある肉や魚に比べ、生産する際に必要な餌や水の量が圧倒的に少ないと言われています。
そのため、その餌や飼料にかかる資源の負担が軽くなりコストも少なく効率も良いということになります。
特にコオロギは、一定環境が整っていれば場所を問わず、どこでも生産が可能であり、牛を飼育するような大規模な土地もいらず、建物の屋上だったり、少しのスペースで生産も可能になります。

ペットショップの端っことかに餌用で飼育されてるコオロギがいるよね。
牛を例に挙げるとわかりやすいですが、牛は飼育するのに広い土地ではないと育てられません。
東京ドーム何個分といった例があるほどで、そのため、アマゾンでの大量の森林伐採も問題になっているところです。
さらに、現在の課題でもある地球温暖化において畜産由来の「温室ガス」が課題になっている側面も考えると特に牛はこの温室ガスの大本になっていると言われています。
それに比べるとコオロギの生産時の二酸化炭素排出量は牛の100倍少ないと言われています。
出典元:FUTURENAUT
まとめると、畜産は生産する過程で…
- 動物性タンパク質の数倍から数十倍以上の飼料が必要
- 世界の15%の温室ガスを排出されると言われていてる
そういった環境への負担が軽減出来る昆虫食・コオロギに注目が集まったとされています。
コオロギが注目される理由③タンパク質が豊富
昆虫食・コオロギに注目が集まっている理由の3つ目として…
「タンパク質が豊富だから」
と言われています。
先程も、少し書きましたが、コオロギにはタンパク質が豊富と言われています。
ちなみにコオロギパウダー(100グラム)の栄養成分としてタンパク質は約「62グラム」含まれます。
出典元:耕平の赴くままに
ちなみに牛100グラム(肩ロース)のタンパク質は14.4グラムと、コオロギと対すると100グラムあたりでは、コオロギの方がタンパク質が豊富なことがわかります。

コオロギすげーー!!
またコオロギは現物のままというよりパウダー上にしていることが多いため、手軽に摂取出来るというのも注目が集まった理由かと思われます。
【昆虫食】コオロギのメリット
コオロギに注目が集まった理由を書いてきましたが、昆虫食でもあるコオロギを摂取するメリットはなんなのでしょうか?
- 栄養価が高い
- サーキュラフードとしての活用
- 汎用性が高い
などが挙げられましたが、ひとつずつ紹介していきたいと思います。
コオロギのメリット①栄養価が高い
先程、前述した通り、昆虫食として注目されているコオロギは「タンパク質」が豊富だからという理由でした。
コオロギのタンパク質含有量としては乾燥物の43%前後と言われ、牛肉のおよそ2倍に相当する量と言われています。
しかし、実はタンパク質だけでなく…
- 亜鉛
- 鉄分
- カルシウム
- マグネシウム
- ビタミン
- オメガ3
といった身体に必要な栄養素がふんだんに含まれており…
- 動物性脂肪は乾燥物の約25%
- 必須アミノ酸・ビタミンB12は牛乳より多い
とも言われています。
さらにコオロギにはカニやエビなどの甲殻類に含まれている「キチン質」という食物繊維も多く、 コレステロールや有害物質を吸着して、体の外に排出させる働きがあり、肥満の予防や、免疫力を高める効果があり腸内環境も整えるという役割もあります。

なんだかコオロギはスーパーフードみたいだね!
コオロギのメリット②サーキュラフードとしての活用
コオロギを昆虫食として扱うメリットとして…
「サーキュラフードとしての活用」
があると言われています。
持続可能な社会の実現にあたり、環境負荷の低減を目指し、捨てられるはずだった食品を新たな食糧として活用すべく開発され、新技術を用いて生産された循環型の食材および食品のことを指します。
これは、いわゆる今注目されているSDGsのひとつですね。
コオロギがサーキュラフードとして活用されると
- 餌として
- 食用として
- 肥料として
といった活用が可能になります。
出典元:CNET Japan
コオロギは昆虫食になることだけ注目されがちですが、「餌」や「肥料」としても使うことが出来ます。
コオロギは基本的に雑食ですので、食品の残りをコオロギの餌にしたり、生育過程で出たコオロギの排泄物は植物の肥料などにも有効利用出来ます。
これを将来的に可能となれば、コオロギの「餌」→「食」→「肥料」など、循環型食品が完成されることになります。
コオロギのメリット③汎用性が高い
昆虫食・コオロギのメリットとして…
「汎用性(はんようせい)が高い」
と言われています。
汎用性(はんようせい)とは「幅広く適用したり、一般的に活用したりすることができる性質」という意味で…
コオロギは前述した、タンパク源になり、高い栄養価があるだけでなく、コオロギパウダーとして簡単に活用できる利点があります。
現在では、コオロギパウダーを練り込んだものとして…
- コオロギチップス
- コオロギせんべい
- コオロギチョコ
- コオロギパン
- コオロギ麺
などが販売され、幅広く料理やお菓子に使われてきています。

無印良品のコオロギのお菓子が話題になったよね!
また、一部では昆虫食としてではありませんが、医療用の材料としても使わているようです。
出典元:Twitter
コオロギは成虫になるまで脱皮を7~8回繰り返すようですが、その抜け殻が医薬品や免疫機能へ影響すると考えられワクチン開発の研究などが進んでいるようです。
【昆虫食】コオロギのデメリット
ここまで、昆虫食・コオロギのメリットを並べてきましたが、もちろんデメリットもあります。
どちらかというとコオロギに対しては、マイナスなイメージを持っている人も多いかと思いますが、メリットの比較としてデメリットも挙げていきたいと思います。
- 生産性の問題
- アレルギーの危険性
- 視覚的な問題
ひとつずつ見ていきましょう。
コオロギのデメリット①生産性の問題
昆虫食・コオロギとして注目が集まっていますが、コオロギの需要はまだ少ない方で、需要と供給のバランスから価格が高いと言われています。
特に、コオロギの収穫作業に関しては、未だに手作業で行うことが多いそうで、そのあたりの生産技術が追いついていないとのこと。
そのため、手間がかかるということで、価格が高騰していると言われています。
海外では、コオロギの飼育を自動で行うシステムを開発している企業やコオロギの家畜化・品種改良に取り組んでいる企業もあるようですが、需要と供給のバランスが合わなければ時間がかかる問題なのかもしれません。
しかし、日本では、コオロギ事業に補助金も出ているとの噂もあるので、今後、日本でもコオロギの生産に関しては広がっていく可能性があるのではないでしょうか。
コオロギのデメリット②アレルギーの危険性
昆虫食・コオロギのデメリットとして考えられているのが…
「アレルギーの危険性」
と言われています。

これ気にしている人が多いよね!
コオロギの成分として、エビやカニと同じようなアレルギー物質が入っています。
つまり、エビやカニのような甲殻類アレルギーを持っている人はアレルギー反応を起こしてしまう可能性があると言うことです。
そのコオロギのタンパク質成分の中に「トポミオシン」という成分が入っていて、その成分がエビのアレルギー成分と似ているとのことです。
さらに、このエビやカニの甲殻類とダニも同じようなアレルギーを起こすことがあるらしく、ダニアレルギーを持っている人も要注意となります。

コオロギを食べたい人にとっては、デメリットになるね。
コオロギのデメリット③視覚的な問題
昆虫食として注目されているコオロギのデメリットの3つ目として…
「視覚的な問題」
と言われています。というか、誰しもそう思うかもしれません。

コオロギの見た目はキツイよね!

食べるには勇気がいるね。
元々、人間は「コオロギを食べる」もっというと「昆虫を食べる」という習慣はほとんどなかったため、視覚的もその見た目から、食べることには躊躇してしまうのが普通かと思います。
勇気がある人は是非積極的に挑戦してもらうのが良いと思いますが、筆者個人的には、今のところは控えておこうと思います(苦笑)
コオロギの視覚的な問題に関しては「ゴキ○リと同じ」といった印象を持つ人が多いようです。
たしかに、焦げ茶色をしていて似ている感じはあり、ゴキ○リも実は栄養価が高いと言われているので、似ている成分を持っているのかもしれませんね。
しかし、人間の生きてきた遺伝子的にも、拒否する直感が働くのであれば、それが正しいのかなとも思います。
コオロギの見た目がデメリットとは言われていますが、ほとんどのコオロギ食は「粉末(コオロギパウダー)」になってることも多く、もしかすると見た目はさほど気にすることはないかもしれません。
しかし、コオロギのパウダーが入っているとなれば、どうしてもコオロギの形をイメージしてしまうので、視覚的にはやはりデメリットになりかねないのでは?とも思います。
人間が食べるものであれば、イナゴを食べてきた習慣もあるので、コオロギを食べることも習慣化されれば、抵抗なく食べれる日も来るかもしれませんね。

イナゴの方が美味しそうに見えるかな(笑)

コオロギを食べることが定着するには時間がかかりそうだね。
【昆虫食】なぜコオロギなのか?メリット・デメリットまとめ
いかがでしたでしょうか?
昨今の環境問題や、栄養不足などの観点から、昆虫食としてコオロギが有望株として見られていることがわかりました。
コオロギ食のメリットとしては…
- 貴重なタンパク源
- 環境負荷軽減
- タンパク質豊富
コオロギ食のデメリットとしては…
- 生産性の問題
- アレルギーの危険性
- 視覚的な問題
などの問題があり、やはり昆虫食のコオロギひとつとっても良い面、悪い面があることがわかりました。
今後、コオロギ食としてどういった展開になるかわかりませんし、賛否両論が加熱している現状もあるので、この「昆虫食・コオロギ」に関して新しい情報が入りましたら追記していきますね!
長文、最後までお読み頂きありがとうございました!